『メモリアノイズの流転現象・メイズプリズンの迷宮回避』
ペーパーカット続き。一応ノベルスだからラノベじゃなくて一般図書でブクログ入れてんのだが、ラノベ読んだなーと思ってしまう。
お前何様でラノベと一般とか区別してんの?、とか言われてしまうと、私の場合は挿絵(特にキャラ絵)の有無。萌えそうな時の条件かわるじゃん!上遠野先生の場合はラノベぽいなーてのも、いつものブギーと世界観共通てのも大きいんですが。
て前置きで、流転の方は旧家出てくるミステリノリでそういうの好きなマコはうきうきしちゃいましたが、推理ものとしてすてき!とまでは思わずに、キャラ活躍で読んだかなー。前もブギーと比べたけれど、主要キャラが同じな分こっちの方がキャラもの的には強いと思う。表紙独占のペイパーカットの存在感が、藤花ちゃん時もあるブギーより印象弱いかなーと思うんですが、探偵コンビもお嬢様も好きな感じなんで楽しいです。
続きも読むよー。お嬢様がデレるのかと、ロボット探偵の奇行と正体あたりを楽しみに。いささんがペイパーカット捕まえてどうなるとかは本筋ですけど、ジョーカーに勝てる気しないよ。
『11枚のとらんぷ』
泡坂妻夫長編。
衝撃のトリック!!という風ではなかったんですが、凝った形式がすごい。前半が素人マジックショー・作中作・後半マジックの祭典(?)とそれぞれシチュエーション設定されるんですが、前半と後半のどちらも描写が推理ものの意味だけでなく好きです。前半もトリックにたどり着くまでの状況解説と引き伸ばしとは感じずに、ほのぼのした日常モノとして、初舞台におおあらわのサークルメンバーが面白い。
前半の最後らで事件が提示された後に、すぐ後編でなく作中作を挟むのを、前半読了時点では解決の前の置石みたいで邪魔かなーと思ったんですが、読んでみたら作中作自体も短くてテンポよく読め、キャラクターのかけあいで面白かった。てゆうか作中作読みながら、平和な時のグループの会話がさびしくて、殺人事件後はこうはいかないわなーと思ってたんですが、後半の方がむしろみんなわいわい楽しんでたようなな。
蛇足的なものを付ければさらに膨らませられるのを、最小限の長さにまとめる潔さ。こういう作品ほど、もっと長く読んでいたいなーと思わせるのかも。

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